オンライン建築作品展 2020
会誌『北海道建築士』および当ホームページにて募集した建築士会会員作品の一部をご紹介いたします。
会員の創意と技術に満ちた作品を紹介することで、会員の技術力向上とこれを起点としたコミュニケーションによる士会活性化を目的として企画しました。
会員作品
ご応募いただいたみなさんの作品をご紹介いたします。(順不同 / 敬称略)
作品 No.1
設計・監理
遠藤 一男(宗谷支部) 遠藤設計事務所 |
名称 | 株式会社 丸善ワタナベ |
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所在地 | 利尻郡利尻富士町 |
建物用途 | 事務所 |
建築年 | 令和元年12月 |
北海道最北の町稚内から北へ船で1時間40分、利尻島へ着くフェリー駅から10分あまりの利尻富士町鴛泊に建つ事務所。「情報システム事業部」「電気設備事業部」「マリン事業部」など手広く事業をしている。
平成22年に道路拡張工事により旧事務所を減築した事務所が手狭になったことやセキュリテイの問題から、創業60年を期に事務所を新設することとなった。
事務室側にNTTの高い建物が建っているため採光は求められないので、中央部分にトップライトを造り光を入れるようにした。暖房は温水式床暖房とエアコンによる建物は全て木造とし、トップライト部分には大梁と小梁が見える。
作品 No.2
設計・施工
佐藤 栄司(札幌支部) ミサワホーム北海道株式会社 |
名称 | 伊丹腎クリニック東棟新築工事 |
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所在地 | 登別市 |
建物用途 | 診療所 |
建築年 | 令和2年2月 |
平成28年3月引き渡しの透析クリニックの増設新築工事で渡り廊下で続く建物となっている。33床のベットから24床のベットの増設になる。
外観は既存と連続しつつも新築部分が分かるように2色とし、外壁の一部をフカシ壁としメリハリをつけたデザインとした。
内部のインテリアは既存が明るい色彩と木の感じを生かしたデザインとしたので、今回のインテリアは落ち着いたホテルの様な雰囲気の少し暗めの茶系の色をベースとした。また間接照明で空間に変化をつけた。
渡り廊下部分は単なる通路ではなく気持ちの切り替えを含めた空間とするためライン照明を壁と天井に埋め込み壁も2色使いとし更に斜めの照明と壁の斜め貼りわけで躍動感が出るデザインとした。
また空間を引き締めるため、登別市にある建物なので白老のウポポイに連動したアイヌ紋様絵を飾りアイストップとした。
作品 No.3
設計
鉄川 大(設計者:加藤 義弘)(札幌支部) 株式会社 鉄川建築設計事務所 |
名称 | 社会医療法人 北海道恵愛会 札幌南一条病院 |
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所在地 | 札幌市 |
建物用途 | 病院 |
建築年 | 令和2年6月 |
外来・入院透析を併設する循環器・腎臓内科を主とする内科総合病院の建て替え工事である。本計画は既存病院のほぼ全機能を一期工事内に納め、手狭である待合、エントランスロビー、駐車場等を二期工事で建築する計画である。
内装には厳しい法規制の中で可能な限り自然素材を使用し、ゆったりとした、おおらかで居心地の良い空間を目指した。また、周辺の緑と敷地内の植樹をつなげ、建物の中に自然を取り込む開口部のデザインを試みている。さらに省エネルギー性にも配慮し「ZEB」認証を取得している。
作品 No.4
設計
富谷 洋介(札幌支部) 富谷洋介建築設計 |
名称 | CAFE Ebru(カフェ エブル) |
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所在地 | 札幌市 |
建物用途 | 店舗併用住宅 改修 |
建築年 | 令和元年11月 |
都市部から程近い住宅街、角地の店舗併用住宅の改修。タバコ・雑貨店として使用していた店舗部分のカフェへのコンバージョンを依頼された。
使われていた1階だけでは手狭なことから2階に上る階段を新設、窓を交換し遠方の山並み、近景のイチョウの街路樹の借景を楽しめるフロアとした。新たに設けた吹抜から光が1階カウンター回りまで降り注ぎ、空間全体を明るくする。
インテリアにはイメージカラーであった青と白、また木の自然の質感を加え、心安らぐ居心地の良い空間づくりを目指した。店舗改修工事と合わせ住宅部分の内装リフォーム、既存建物の構造強度を高める検討・補強も行った。
長く親しまれた街角の社交場に新たな役割を与え、心豊かな拠り所となることを目指した。 (写真 加藤文康)
作品 No.5
設計
中井 寿也(札幌支部) 一級建築士事務所 アトリエTARŌ |
名称 | 『You can』さっぽろ山鼻内科・糖尿病クリニック |
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所在地 | 札幌市 |
建物用途 | 診療所(内科:収容施設なし) |
建築年 | 平成30年10月 |
札幌藻岩山下に古くから栄えた閑静な住宅街に、地元出身の医者が「このまちで生まれ育った医師として、できることを、精いっぱい」を理念とした、新規開院のプロジェクトである。
安心して受診・通院できる、内・外観共に人に優しいデザインを心掛けることとした。平面計画は、バリアフリーはもとより診療内容を把握しコンパクトな動線計画になることに努めた。
外観は、地域に馴染むよう、圧迫感がないように高さを抑え主道路面を平屋とし、また、外部からのプライバシーを確保するために、待合室の窓はローサイドに配置するなど、患者への精神的な負担も考慮するように努めた。
この作品と共に、高齢化社会を担う「健やかで幸せな地域・社会づくりに貢献できる」シンボリックなクリニックになることを期待する。(TARO中井)
作品 No.6
設計・監理
早川 陽子(小樽支部) 早川陽子設計室 |
名称 | 小樽 築58年の家 |
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所在地 | 小樽市 |
建物用途 | 専用住宅・アトリエ |
建築年 | 令和元年8月 |
小樽の街並と港を見渡す高台に和光壮という邸宅(1922年)があります。周辺は当時の住宅が残っており、この住宅もその一軒で185坪の敷地に住宅棟72坪と倉庫棟10坪、南面の日本庭園はほぼ当時のままでした。
新しい住人はこの佇まいを尊重しつつ、構造と断熱は現代の仕様を希望されました。インスペクションの結果を踏まえ、無筋基礎と上部構造の補強工事、断熱は次世代省エネを目標としました。
間取りは極力変えず個室のみ家族に合わせて改修、設備は一新しました。
解体と施工の過程で当時の技術者の創意工夫や美意識が随所に見られ、現代の施工にそれら重ねることを大切に設計・監理しました。
工事に携わった全ての方たちに感謝いたします。
作品 No.7
発注者工事監督員
門野 智(日高支部) 日高町役場 日高総合支所 |
名称 | 日高町立日高国保健康保険診療所 |
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所在地 | 日高町 |
建物用途 | 診療所 |
建築年 | 平成30年3月 |
日高国保診療所は昭和47年10月(当時病院)に建設されましたが、施設の老朽化が著しい状況にあったため、平成29年度に改築しました。
従来の診療所の待合ホールは、窓が北側に面しておりましたが、新診療所の待合ホールは、入口正面を全面ガラス張りとし、ホール中央に天窓を設けるなど、採光が多い造りとなっております。
合わせて待合ホールと診察室・処置室・検査室が機能的に配置され、患者と医療スタッフの動線に配慮した平面構成となっております。
また、新たにキッズコーナーも設け、未就学児童にも配慮しています。
施設の空調設備について、冷暖房設備のほか一部床暖房を設けるなど、快適性への配慮を行っております。
作品 No.8
設計
若狭 成行(函館支部) 黒島建設 1級建築士事務所 |
名称 | 花bishi |
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所在地 | 二海郡八雲町 |
建物用途 | 店舗併用住宅 |
建築年 | 令和2年3月 |
今回の設計に先立ち、当建物をプランニングする際は建設地が国道に近い為、北方型住宅性能に準じた仕様と防音性能を重視した構造仕様を考え企画立案しクライアントと協議を重ねました。
プランとしては1階がクライアントが経営するフラワーショップ、2階を住宅としてのコンパクトな間取りとし、周囲環境を気にしない快適な住まい造りを心掛け設計を行いました。
また、住宅部分のインテリアに関してはクライアントの個人的な“好み”を反映し、ホワイト基調な内装プラン、こだわりの対面キッチン、ホールから居間へのガラスドアなど各所に配慮した次第です。
まだ幼い姉妹が住み、働く親の姿を見つつ、これから先どう育ち、歩んでいく姿を見守る家として少しでも携われた事に感謝する次第です。