オンライン建築作品展 2016
会誌『北海道建築士』および当ホームページにて募集した建築士会会員作品の一部をご紹介いたします。
会員の創意と技術に満ちた作品を紹介することで、会員の技術力向上とこれを起点としたコミュニケーションによる士会活性化を目的として企画しました。
会員作品
ご応募いただいたみなさんの作品をご紹介いたします。(順不同 / 敬称略)
作品 No.1
佐藤 栄司(札幌支部) ミサワホーム北海道(株) |
名称 | 伊丹腎クリニック |
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所在地 | 登別市若山町 |
建物用途 | 診療所 |
構造規模 | 木造 地上2階建 |
延床面積 | 983.98㎡ |
建築年 | 平成28年3月 |
いつも患者さんの思いを忘れずに、最良の医療を提案する事を目標に、腎外来・内科 腹膜透析外来糖尿病性腎症外来 腎移植後外来を診療科目とする透析ベット32床「内個室2」のクリニックです。
玄関は外来患者用と透析診療・内科の患者さん用に分れ待合室もそれぞれ2か所あり、腎不全への予防対策と腎不全の患者さんには最良の医療を提案出来るように、そして居心地良く過ごせるようにホテル並みのクオリティを持った医療施設をめざしました。
内部は木の質感を感じつつ、空間の変化を楽しめるよう縦格子の壁面を一部採用、また内部は暗くならないよう、それでいて落ち着くインテリア・採光・照明を計画した。 透析室は見晴らせるようにナースステーションを配置、それでいてプライバシーを確保する時の為、ベット間にはロールスクリーンを設置した。
作品 No.2
山鹿 俊孝(札幌支部) アトリエYMG |
名称 | あったかい木の家 |
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所在地 | 札幌市 |
建物用途 | 専用住宅 |
構造規模 | 木造 地上2階建 |
延床面積 | 95.19㎡ |
建築年 | 平成27年2月 |
施主は母と娘の二人。 「とにかくあったかい家を安く作りたい」「木が好きなので、外にも内にも木が見える家にしたい」という要望を最大限に取り入れ、文字通り「あったかい木の家」をローコストで作った作品です。
具体的なプログラムは、互いに干渉しすぎず仲良く暮らせる空間づくり。 全ての部屋が大きな吹抜けにつながっています。 ここに仕切りはありませんが、天井の高さによって空間があいまいに性格づけされ、中央にある階段の上り下りというアクティビティが生活にリズムを生み出します。 女性だけなので、プライバシーを守りながらも開放的にするべく開口に配慮しました。
周囲にタイルなど硬い素材が並ぶなかで、この家は街に向かって自然素材を使った「木の家」を表すデザインです。 木製の箱の側面と屋根を金属板で覆う構成で、道路と庭には大きな木の壁を見せながらも、密接する隣家と空に対しては金属板でガードされています。
また、道路からのセットバックと建物高さを抑えているため、この家の周りは空が広くなっています。
作品 No.3
山内 一男(函館支部) (株)建築企画山内事務所 |
名称 | café' akira |
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所在地 | 函館市大手町 |
建物用途 | 飲食店 |
構造規模 | 鉄骨 地上1階建 |
延床面積 | 98.53㎡ |
建築年 | 平成27年12月 |
建物建設地は戦後の商業地で栄えた、函館駅を経由する電車道路沿いの電停前にある。 函館市内の移動手段は車がほとんどで、近くの買い物でも車を使う。 電停は所在地の説明にしか使われない。 車窓からの景色、瞬間的に切り取られる街並みに、建物をシンプルなフォルムで人を振り向かせることが必要だった。
要求と提示された限られた予算、女性や車椅子でも対応できる優しさ、コーヒーが大好きな施主の店が次の課題だった。 コーヒー豆を輸入し焙煎し販売する。 施主オリジナルのミキシングされたコーヒーの味も店の空間には必要な要素であった。
店内で女性客が映えること、商品が生きること、コーヒーを飲みながら時間を忘れてしまう空間・シーンをデザインの基本に考えた。 結果、この広さと高さと質感と色彩になった。
作品 No.4
髙田 傑(函館支部) 髙田傑建築都市研究室 |
名称 | 函館駅前広場イルミネーション 冬のいさり火 |
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所在地 | 函館市 |
建物用途 | イルミネーション |
建築年 | 平成27年12月 |
イルミネーションデザインは、「アースワーク」だと考えます。 つまり、その場を訪れなければ体験することのできない、「その土地ならではの演出」でなければなりません。 私たちは今計画のデザインモチーフを函館にしかないものに徹底的にこだわり、「豊かな海」「函館山」「夏のいさり火」「道南杉」の4つを選びました。 これら4つのデザインモチーフから全長80メートル、最高高さ6.3メートルの壮大な「光のパサージュ」を、北海道新幹線からの来函者を歓迎する函館駅前空間に創り上げる計画です。
道南杉によって構成される、函館山の愛称「臥牛」の稜線をモチーフとした美しい3次曲面を持つ構造フレームは、杉の温もりとともに冬期間の観光客を暖かく迎えます。
作品 No.5
佐々木 司・祓川 正人(旭川支部) アイエイ・アーキ 共同企業体 |
名称 | あさひかわ北彩都ガーデン「ガーデンセンター」 |
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所在地 | 旭川市宮前 |
建物用途 | ガーデンセンター |
構造規模 | 木造 地上1階建 |
延床面積 | 381.14㎡ |
建築年 | 平成27年1月 |
この建物はあさひかわ北彩都ガーデンの宮前公園西エリア内に位置し、JR旭川駅からは大池プロムナードを通りアプローチします。
このエリアは旭川のガーデン文化を発信する場所と位置づけられており、その方針に呼応するよう建築を計画しています。 建物周辺におけるガーデンのデザインは緻密なものとなっており、そこから空間が連続するように多様な半屋内空間を設けています。 建物内部はガラスを多用することで、外部との連続感をつくり、美しいガーデンとの一体的空間の魅力を来訪者に訴えます。
外壁には煉瓦調タイルを採用することで、国鉄の施設が並んでいたこの場所の記憶と旭川市の公共施設が創ってきたスタイルを継承し、同時に主役である植物が映える意匠とします。 内部は壁に道産木材の構造用合板を表しで採用し柔らかな雰囲気をつくっています。
この場所から旭川らしいガーデン文化がまちに浸透することを願っています。